師走に置いてかれる

小説だったり映画だったり主に作品の感想が多めだと思います

【感想】後編に続く『実写版3月のライオン前編』

 アマゾンプライムで配信されてたので見ました。それの感想。ネタバレあり。

 

 原作やアニメの雰囲気もしっかりと出ていると思う。キャスティングに関しても、実写化にあたって多少デフォルメされてはいるとも思うが、逆にそれが実写での違和感を無くしているようにも思えて絶妙。

 

 まだ前編しか見ていないが、後編もあるらしいので早いうちに見たい。後編で一区切りつくと思うので、実写版ではどんな感じで終わらせるのか、非常に気になる。

【感想】熱さを2時間に圧縮『実写版ピンポン』

 アマゾンプライムで配信されてたので見ました。それの感想。ネタバレありまくり。

 

 卓球のシーンに違和感があったがなんとCGらしい。最終的には全然気にならなくなったけど。

 

 キャスティングについてはほぼ完璧だと思う。原作の要素を含みつつ役者さんの個性も出てると思う。アクマは原作ほぼそのまんまで凄い完成度。ネットの意見を見ている限りバタフライジョーだけ少しだけ批判が見つかるが、僕はそこまで気にならなかった。

 

 音楽も良かった。僕はあまり詳しくないから知らないけど、アニメとも同じジャンルなのかなと思ったが違うかもしれない分からない。

 

 2時間というなかで凄く綺麗にまとめられていて、ちゃんとピンポン本来の魅力を惜しみ無くつぎ込んでいると思う。実写化映画の中でも傑作と言われるのも頷ける。ただ、原作やアニメのような完全版を既に知っているため、やはり物足りなさがないわけではない。評価は良とさせていただきます。

【感想】仕方ないね『ボトルネック』

 米澤穂信さんの小説。評判も良かったから早く読みたかったのたが、結局半年ぐらい積んでいた。その感想。ネタバレありまくりなのであしからず。

 

 あらすじから何からを確認して、やっぱり暗い話なんだろうとは思っていたが想像以上に辛辣でビックリした。最後のほうはなおのこと、途中のボトルネックのくだりから色々となんか思い当たってしまって、そこから絶妙な気持ちで読んでいた。

 

 まずなんと言っても嵯峨野家の家庭事情だが、僕の浅い経験上だが創作の中でこれほど酷い家庭環境は知らない。わりと現代的な時代で描かれているせいで、妙にリアリティがあるような気がして正直胸糞というほかなかった。浮わついたことだけならまだしも本当にしょーもない理由で子供にご飯と値するお金を与えない母親に、一種の殺意さえ沸いてきた。そして最後も母親だったが、本当に。

 

 家庭の面々はそんな感じだが、姉のサキは終始明るさを含んでいて、陰湿な読み味が多い中でかなりの癒しであった。本当に希望的存在としていると思う。特に原付で後ろに乗せてくれる場面とかパスタ作ってくれる場面とか、そういう部分で温かさが感じられて偉大だと思う。主人公はやっぱり陰なんだろうけど、それに相対するように太陽のようで気持ちの良い姉。最終盤に差し掛かるまでは孤独すぎる主人公はこの人に救われてるものだと思ってた。そういうふうに落とすともずっと思っていた。

 

 兄の言ったありきたれの励ましみたいなことを読んだときに、こいつは別に悪い奴ではなくて色々とバカでガキっぽいんだけど憎めない奴なんじゃないかと思った。そしてこの兄は主人公が自ら認めたように自分と似ているということ。つまり僕が上で思った感想は、そのまま主人公のリョウに対しても言えることなのだと思う。

 

 ノゾミに関しても僕は若干乗せられていたと思っている。やっぱり主人公と関わる中で彼女も変わっていき、良い感じになったんだけれども事故ってしまったという想像。ありきたりだがそう思っていた。それがそうではなかったということでは飽きたらず、別に主人公だからということではなく誰であっても救われたとされ、そして挙げ句彼女は救い手の模倣であるから彼女を愛していたのではなく、ただ作り上げた自分が好きだっただけとか。主人公に対して痛烈すぎる事実。笑いさえこみ上げてくるような。

 

 主人公であるリョウというのは、本当に、別に何も悪いことなどしていないのだ。それなのにこれほどまでに打ちのめされるのは、不幸とかそういう次元ではない。相対するサキも特別悪いことはしていないと思われるが、彼女の行動力故にもしかしたら何かしら迷惑を被った人がいるかもしれないが、それでもサキはそれが余りあるほど多くの人を救ってきたのではないだろうか。そういう意味で本当にヒーローのようなキャラクターだが、それが強ければ強いほど、主人公にかかる陰は深くなっていってしまうのも、構造時代が本当に地獄のよう。

 

 主人公のリョウが最後にどうしたのかというのはもう散々語り尽くされていると思うが、個人的にはやはり駄目だと思う。というかあそこから巻き返すとして、でもどうしようもなさすぎてそんな気すらおこらないとしか思えない。トドメとしてのあのメールなのだと思うけど、逆にあれが楔になるという考察も、まったく想像外で面白かった。それにしても、直前で希望をちらつかせておいて最後にあのメールをぶっこんでくるのは、読んでて本当に息が浅くなってしまった。ツユから電話がきたとき結局救われると思ったもんね。本当にえげつない。

 

 主人公は物語開始時点でも本当に悲惨な状況にいるわけだけど、その上でパラレルワールドに飛ばされて、尚且つ違いを見つけていくと自分は本当に世界的に邪魔なんじゃないかと気付かされるのは形容しがたいほどに鬼畜な気がする。読んでるときはこのままパラレルワールドに住み着くんじゃないか、色々と言っていたけれど結局それもヒーローの如き姉のサキが全て救ってくれるんじゃないかと、そう思っていたけれどやっぱり戻されてしまう。戻された主人公には、開始時点のものにさらに上乗せされたパラレルワールドの感覚を身につけているわけだから、本当にどうしようもなく可哀想。裏表紙のあらすじにもあるように、世界のすべてと折り合えない。帰ってきても、大してそれは変わらない。

 

 とにかく悲惨だとか可哀想だとか地獄だとか書いてるが、やっぱりそれは物語の世界であって、まぁ色々とショックを受けたけどもそれを含めて正直最高だった。同作者のさよなら妖精を読み終わった時も同じ様な感じではあったが、あちらのほうがまだ救いがあるような気がして、もちろん相対的でしかないが。読み返したいと思うのに、今すぐにはそうしたいと思わない。きっと1年ぐらいしたらまた読むと思う。とにかくあまり寝れそうにないということだけは分かる。評価は"神"とさせていただきたい。

【感想】ヒーローショー『実写版 進撃の巨人』

 巨人化したエレンが他の巨人を駆逐していくのがヒーローショーみたいで良かった(小並感)。期待を全然していなかったから、そこまで悪くないような気がしている。立体起動もほどほどに良かった。リヴァイが謎の男に変わってたりするけど。ただ何故かは分からないが凄く分かりにくい展開の仕方だと思った。心情の描写が少ないというか、原作を確認済みだからある程度察することが出来るけど、完全に初見の人はキャラが何を考えてるのか全然汲み取れないと思う。続編があるみたいなので暇になったら見る。原作とは別物だと構えていたほうが良いのは間違いない。

【感想】焦らしプレイみたいな『クズの本懐』

 Amazonプライムにあったので見ました。それの感想。ネタバレあしからず。

 

 作品説明欄にも過激ですとか明記されてたし、そもそも噂としてすげぇエロいと聞いていたのでそのつもりで身構えていたが、ドエロいです。当たり前だけど、そこまで直接的な描写じゃないからこそ出るエロスが満々。モノローグが多いから官能小説っぽい。それもそれで増幅させる要因だと思う。エロいっす。

 

花火という主人公がかわいい。というかキャラデザがかなり好みなのでみんなかわいいのだけど、花火は突出してる。そもそも花火の一人称で物語が進んでいくため、キャラに対する理解度と相まって愛おしく感じる。声優さんの演技も非常に良いと思う。特に告白泣きシーン。今まで見てきた中で一番グッときた。あと地味におっぱいが大きい。

 

 そんな花火が好意を寄せてる先生だが、なんか腹に一物ありそうだと思ったら、単純に真っ直ぐすぎるくらいただただ良い奴で良かったとも思うし、少し物足りないとも思った。だけどこういうキャラはあまり見たことが無いので新鮮で清々しい気持ちになった。

 

 茜さんというなんともむちゃくちゃなキャラが、物語の中核を担ってると思うけど、そんな彼女も変わる。変わるんだけど、思ったよりあっさりしていた気がして少し肩透かしだった。でもキャラが的には凄く綺麗な収まり方でもあると思うので満足ではある。無敵のラスボス感は至高。

 

 見ているときにずっと、最終的には花火と麦は付き合うんだろうなと思っていた。思っていたわけだがそうならなかった。なんか泣きそうだったのを覚えている。最後のモノローグで本物本物と言いまくってと思うが、あくまで花火と麦の関係は仮的なものであるのがなんとも言えない切なさを含んでると思う。色々と共有したはずなのに、しっかりと説明できる関係ではないというのが、もう泣きそう。結局そこまで影響しあってない気もするし、僕の見当違いだったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

違う様にやるのは

 何か目標があったりすると、それを叶えるための道筋として自分だけの奇抜なルートを取ってしまうクセがある。今更だがそれは辛いことで、なぜ辛いのかと言うとやっぱり一般的なルートと違ってしまうから。一般的なルートがなぜ一般的なのかと言ったらそれは一番やり易いからなのは恐らく間違いない。ならばそれを選ぶべきだ。奇をてらわずに、まず最初は大多数と同じ様にやってみるべきなんだ。独自のことをやろうとするのはその後でも全く遅くないはずだから。楽な方を。

ペンギン・ハイウェイ【感想】

 おねショタ万歳となる。謎は結局明かされないけど、それは僕らがショタの主人公目線になるために必要な犠牲なのでは。自分でもよく分からないが、雰囲気はかなり好きなので、また時間をおいて見直したい。なかなかでした。