師走に置いてかれる

小説だったり映画だったり主に作品の感想が多めだと思います

比翼恋理のだーりん個人的好きなルートランキング

STEINS;GATE関連作および科学ADVシリーズのネタバレに注意

 

 

 

科学ADVシリーズ2作目であり、シリーズでも屈指の人気を誇るSTEINS;GATEのファンディスクとして2011年6月16日に発売された本作。タイトルから推察するに所謂ギャルゲーとしての側面が強いと思っていたのだが、実際に全ルートを制覇した総括としては、そこまでラブロマンスとして踏み込んだものではなかったという印象がある。

本記事では本作の全6ルートを楽しめた順にランキングで紹介したいと思う。筆者はSTEINS;GATE本編に加え、フェノグラム、ゼロをクリア済み。現行で発売されているSTEINS;GATE関連のゲームとしては、今作が最後ということになる。

 

 

1. 星屑のデュプレット(まゆりルート)

本編をクリアしたのがもう随分と前のことなので、最初からまゆりが好きだったのかどうかは分からないのだが、ゼロやフェノグラムを経ていく中で、確実にまゆりが好きなキャラクターになっていった実感がある。

本編におけるまゆりの役割は、作中で本人が気にしているように若干重荷というか、苦しいことの象徴になっているということが少なからずあるだろう。その中で育まれた彼女への感慨は、よくよく考えてみればあまりフェアのものではないのではないか。これは本編では正ヒロイン的である紅莉栖とは、逆の作用が発生していたといえる。

完全な勘違いだったのだが、私はてっきりフェノグラムが発売された後にだーりんが発売されたと思っていた。実際にはその逆だ。加えてゼロもプレイしているため、まゆりが報われてほしいという感慨は、予想以上に強いものだったのではないかと思う。発売された時点での、ファンの感覚を正確に感じることは不可能だが、本作のまゆりルートはその願いを満たすものとして申し分のないものだった。

ほとんどパラレルという関係上、物語に対してあまり真剣になれない感覚が序盤は強かったのだが、だんだんとラブロマンスに開けていく展開はとても緊迫感があった。

まゆりとオカリンの関係性の中で、やはり特筆すべきことは人質をめぐる信頼にあるだろう。本編では強調されていたと思うが、この関係性がある種の呪いのようなものになっているという節もあるにはある。しかしながら、まゆりが人質であるという二人の共通認識は、世知辛い物事に囚われなければ呪いというよりは約束なのだ。

この約束をいつまで続ければ良いのか、またいつまで続けられるのかという絶対的な命題に対して、今作における解答はとてもカタルシスがあるものだった。

個人的に、まゆりが祭りで迷子になるたびに、オカリンが助けてくれたことを語る場面が地味にハイライトだと感じている。泣いた。

 

2. 楼閣都市のネプシュタン(フェイリスルート)

ゼロから登場した比屋定真帆を除けば、純粋に一番好きなキャラがフェイリスだということを最初に断っておくが、おそらくそれを別としても、6ルートの中でフェイリスのルートはとても満足度が高いと思う。

これは後述のルートにおける若干の問題なのだが、ギャルゲーのようなゲームではあるのにキャラクターをかわいいと感じる場面がそこまで多くないと感じる。つまり言いたいことは、このフェイリスのルートでは少なくとも満足できるだけの可愛いシーンがあったということだ。

可愛さという観点で言えば、フェイリスというキャラは少し狡いキャラクターではあるだろう。猫耳で猫語尾でメイドでピンク髪で声もかわいい。萌要素が詰まっている。

しかしフェイリスを敬愛してやまない人々ならお分かりだと思うが、実際にはこれらの目立った要素が鳴りを潜めている状態こそ、フェイリス・ニャンニャンの真骨頂なのは言うまでもない。

本作におけるそれらの描写も、新鮮味はないかもしれないが、満足のいくものだったと思う。ハイライトはやはり頭を撫でまわしたりしてじゃれあっているところだろう。

 

3. 黎明曙光のレシオ(萌郁ルート)

桐生萌郁というキャラクターは、あまり恋愛的に好かれやすいとは言えない。色々な要因があるとは思うが、やはりそれはほとんど喋らないことに起因する。喋ったとしてもゆっくり喋るため、これはVNとしてはあまり心地が良いものでもない。

しかし本作だーりんはファンディスクであり、おそらくそれを最低限許容できないプレイヤーはあまりいないだろう。少なくとも本ルートをクリアまでやった者には。

まゆりのルートを除いた中で、もっともギャルゲーとして成り立っている気がするのはこのルートだ。後付けなのかもともとあったものかはわからないが、彼女はとても奇怪でそして楽しい性格や性質を持っていることが惜しみなく表れている。

本編にも登場したボロアパートで一緒にカップ焼きそばを食べるくだりなど、なんとみすぼらしい体験だとは思ったが、それでもそれをもっともらしく感じさせるのが、桐生萌郁というキャラクターの妙だろう。

 

4. 根源のアガペー(鈴羽ルート)

本編においてただのサブヒロインの域にはとどまらないほどインパクトを残し、かなり重要な役どころを務める鈴羽だが、本ルートにおいて特質すべきことはほとんどない。

どっちかといえばこのルートは鈴羽のルートというよりはダルのルートなのではないかという感慨がある。ゼロで聞いた気がするあのプロポーズはおそらくここが初出だったのだと思うが、あれが聞けた時は少し嬉しかった。

ラブロマンスという観点で言えば、倫理的にどうなのかはわかりかねるが、未来からきたという性質上とても可能性を感じるような展開だったのではと思う。

個人的には、オカリンが嫉妬していると思われてラボがギスギスしているところがとても印象的ではある。あとBTTFパロディ。

 

5. 永劫回帰のレゾナンス(紅莉栖ルート)

正ヒロインであるわけで、やはり外伝であっても存在感はとてもある。いつも通りオカリンとの小競り合いは健在であるし、そういう意味では全ルートに渡って少し支配的ですらある。

しかし肝心の本人のルートは、あまり心地の良いものではない。オカリンとの絡み自体は前述したとおりいつも通りであるため、ある程度のクオリティではあるのだが、シナリオ自体はとても丁寧とは言えないし、爽快でもない。

牧瀬紅莉栖における問題点は、がっつり関わってくる本編が文句なしにマスターピースであったことであり、あれを超えるラブロマンスを単体として作り上げることは、おそらくパラレルである限り不可能の近いことではないのか。

 

6. 愛と幻創のシナジー(るか子ルート)

はっきりと言っておく必要があるのだと思うが、るか子は素晴らしいキャラクターであり、そして彼女が抱える感情もとても身に迫るものではあるのだ。STEINS;GATE本編および彼女のルートをクリアした者はそれを分かっているはずだ。

しかしこのルートのシナリオは、るか子とは関係のない部分でただただ雑然としていて読んでいてまったく楽しくない。ドラゴンが見えるというのは少し面白い要素ではあるのに、ギミックはともかくそれに対する解決の展開に起伏がなさすぎるし、なによりるか子と何か関係があって、ましてや彼を可愛いと言える場面が一つでもあったのだろうか。

ただただ無為に文字を読まされるだけの退屈なルートだった。るか子に対して居たたまれない気持ちさえ生まれた。

 

総括

STEINS;GATEの関連作は、本編の出来が良すぎることもあってあまり高い評価を得られてはいない。正統的な続編であったゼロはともかくとして、実際にフェノグラムや本作だーりんはファンディスクの域を出ない。

おそらくSTEINS;GATEが好きで、その中でもキャラクターが特に好きという人でない限り、やる価値は少なからずあるのかもしれないが、楽しめるかどうかは微妙なところだ。

今回取り上げた比翼恋理のだーりんは、正直に言えばフェノグラム以上に稚拙なゲームであるとは思う。しかしながら、まゆりのルートだけは、シリーズとして間違いなく作られたことに価値があるのも事実だろう。ゆえにまったく無駄な作品というのも正確ではない。

この記事を書いている2024年時点で約13年前のゲームであり、その時点でSTEINS;GATEの存在感は比類なきものであったのは容易に想像ができる。その後もフェノグラムやゼロと続いていき、一応完全新作の予告もされているという今の状況で、完成した絵を飾るようにまゆりのルートを観測できたことは素直に嬉しい。

科学ADVシリーズの流動は、最近ではあまり芳しいものではない。どのプロジェクトが生きているのか死んでいるのかも定かではないが、それでもシリーズが続いていくのであれば追いかけていきたい。

 

 

ゲーム発売日順(KH)

KINGDOM HEARTS

1→チェインオブメモリーズ→2→358/2DAYS→コーデッド→バースバイスリープ→3D→キー0.2バースバイスリープ→3→メロディオブメモリー

 

KINGDOM HEARTS(完全版あり)

1→(1FM)→チェインオブメモリーズ→2→(2FM)=(Re:チェインオブメモリーズ)→358/2DAYS→コーデッド→バースバイスリープ→(Re:コーデッド)→(バースバイスリープFM)→3D→(HD1.5)→キー→0.2バースバイスリープ=(HD2.5)→(アンチェインドキー)→(HD2.8)→(HD1.5+2.5)→(ユニオンクロス)→3→(クロスダークロード)→メロディオブメモリー

 

⚫︎備考

・20231012 KHに記入漏れの0.2バースバイスリープを追記

D +で見れる映画シリーズの公開順

 

 

MUC

アイアンマン→ハルク→アイアンマン2→ソー→ファーストアベンジャー→アベンジャーズアイアンマン3→ダークワールド→ウィンターソルジャー→GotG→エイジオブウルトロン→アントマンシビルウォー→ストレンジ→リミックス→ホームカミング→バトルロイヤル→ブラックパンサー→インフィニティーウォー→ワスプ→マーベル→エンドゲーム→ファーフロムホーム→ブラックウィドウシャンチー→エターナルズ→(ノーウェイホーム)→マルチバースオブマッドネス→ラブ&サンダー→ワカンダフォーエバー→クアントマニア→GotG3

 

 

STAR WARS

新たなる希望→帝国の逆襲→ジェダイの帰還→ファントムメナス→クローンの攻撃シスの復讐→フォースの覚醒→ローグワン→最後のジェダイ→ハンソロ→スカイウォーカーの夜明け

 

 

PIXAR

トイストーリー→バグズライフ→トイストーリー2→モンスターズインク→ニモ→インクレディブル→カーズ→レミー→ウォーリー→カールじいさん→トイストーリー3→カーズ2メリダ→モンスターズユニバーシティ→インサイドヘッド→アーロ→ドリー→クロスロード→リメンバーミー→インクレディブルファミリー→トイストーリー4→2分の1→ソウルフル→ルカ→レッサーパンダ→バズ→マイエレメント

 

X-MEN

X-MENX-MEN2→ファイナルディシジョン→ウルヴァリン→ファースト・ジェネレーション→SAMURAI→フューチャー&パスト→デッドプール→アポカリプス→LOGAN→デッドプール2→ダーク・フェニックス→ニューミュータント

 

ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ

白雪姫→ピノキオ→ファンタジア→ダンボ→バンビ→ラテンアメリカの旅→三人の騎士→ファン・アンド・ファンシー・フリー→メロディ・タイム→イカボードとトード氏→シンデレラ→ふしぎの国のアリス→ピーター・パン→わんわん物語→眠れる森の美女→101匹わんちゃん→王様の剣ジャングル・ブック→おしゃれキャット→ロビン・フッドくまのプーさん(完全保存版)→ビアンカの大冒険→きつねと猟犬→コルドロン→オリビアちゃんの大冒険→オリバー→リトル・マーメイド→ゴールデン・イーグルを救え!→美女の野獣→アラジン→ライオン・キングポカホンタスノートルダムの鐘→ヘラクレス→ムーラン→ターザン→ファンタジア2000→ダイナソーラマになった王様アトランティスリロ・アンド・スティッチ→トレジャー・プラネット→ブラザー・ベア→ホーム・オン・ザ・レンジ→チキン・リトルルイスと未来泥棒→ボルト→プリンセスと魔法のキス塔の上のラプンツェルくまのプーさんシュガー・ラッシュアナと雪の女王ベイマックスズートピア→モアナと伝説の海→オンライン→アナと雪の女王2→ラーヤと龍の王国→ミラベルと魔法だらけの家→ストレンジワールド

 

『なつもん』の印象的な台詞

 2023年7月28日に発売された、『ぼくのなつやすみ』などで知られる綾部和氏が原作などを担当するこのゲーム。発売前の盛り上がりはそうでもなかったが、自由すぎるゲームシステムが少なからず反響を呼んでいるように思う。

 今回はこの『なつもん』の気に入った台詞を上げていきたいと思う。当然ネタバレも含まれているので悪しからず。

 

 

殿方がよくつかう

女の人と仲良くなるための手段ね!!!

by純子

 馴染み深いお姉さん枠。15歳というのも同じかな。

 

うん!…ねえ豚がいるよ!

byサトル

 謎の豚推し。

 

ここはまだ裏庭よ

…そっちこそ 以外に怖がりなのね

by純子

 流れが最高。シチュエーションも最高。

 

でも サトルくんの めーよのために

かけっこ競争は しないでおいてあげる!

byヒデコ

 微笑ましい。ちなみにガチでかけっこクソ速いヨースケは許さん。

 

しっかし男の子って

いくつになっても男の子よね

by助手ちゃん

 館長と助手ちゃんの結末気になったけど、ほとんど決まり切ってるからいいのかな。

 

バーカ!

他のお客様のプライバシーに

関しては 一切お答えできません!

by今日子

 安心感がありすぎるおばちゃん枠。けっこう快活というのが良い。

 

ボク なつもんになれるかな?

byサトル

 鮮やかなタイトル回収だった。そしてこの文字の並びは少しグッとくる。

 

ねえ ハニー出ておいでよ!!!

筋肉痛になるまで

いっしょに 腕立て伏せしようよ!

byトコトコ

 爽やかにキモい。気持ちはわかる。

 

とにかく 主人公の女の子が

かわいいんだ!

by谷地頭

 謎の強キャラ感を発していると思ったら、前作主人公みたいな立場の人。もっと掘り下げて欲しかったとも思うけど、これくらいがちょうどいいかもしれないとも思う。

 

怖いのはキライなの!!!

byラブちゃん

 今作外見最強の人。銀河系も司ってる。

 

お医者さんごっこ!!!?

by助手ちゃん

 !!!?←これ

 

あなた わたくしに

ケンカ売ってるんですか!!!?

by今日子

 今日子さんと探偵の絡み好き。このあたりで今日子さんの魔性感が増してくる。

 

でも 教えません!!!

いじわるなので!

by今日子

 ニコッ。

 

我々はどこからきたのか?

我々は何者か?

我々はどこへ行くのか?

byたびの

 ヤバい!10歳にさえヤバいと思わせる魅力がある。

 

んーん!

女の人と仲良くなるための口実でしょ

by純子

 んー!!!私は先の世代の人だけど、20世紀の15歳かわいすぎるだろ!

 

私なんだか ナガセさんの

しゃべりかたが 好きになってきました…

by純子

 わかる。

 

星空に 銀河鉄道を見たときから

私は 大人になりはじめたのかも

しれない

by駅員さん

 電車とバスのことばっかり話す駅員さん。声優がぼくのなつやすみ1のボクくん役である進藤一宏氏らしく、そのキャラにこれを言わせるのが憎いね。そして演技がめっちゃ上手い。

 

なんだ小学生か…

ヒマでうらやましいな 夏休みなんだろ

by秀人

 全体的にヒール感強めの新聞記者。このキャラの声優もぼくのなつやすみ3のボクくん役である千葉翔也氏らしい。RPGなら黒幕してそうなほどヒールだった。

 

結局オレたちってどこに行くんだっけ?

オレたち自身がわかんないぞ!

byヨースケ

 ノルウェイの森

 

おじさん 家に帰ったら

かつ丼大盛り 食べるんだ

byオモチャ屋

 腹減る。

 

意味なんて ないよ!

キミ 私のこと好き?

byそらよ

 終盤に差し掛かるあたりで出てくるお姉さん枠。個人的に過去作を意識しすぎて絶対なにかの調査に来てるんだと思ってたけど、とくになにもないはず。たぶん。

 

決めるのは ボクだ!!!

byサトル

 Yes。

でも工場長はずっとそれを信じて

あんなに頑張ってるんだ

by主任

 個人的に今作で一番の衝撃はこれ。なんだそれはと。

 

そうか

おまえ ひとりぼっちか…

by秀人

 ん?君もか?

 

答えは 20年後のおまえが

俺に教えてくれ!

by山じじい

 この人もやっぱり声が手伝って、より直接的に前作を思わされてしまうキャラ。それにしても歩くの早すぎる。

 

塔よりも おねえちゃんと

純子ねえちゃんの話が知りたいな

byサトル

 キマシタワー。

 

うん!でも 大昔のことさ!

もう思い出さなくてもイイんだ

by谷地頭

 強キャラ。

 

まさか 今よりもエッチなやつじゃ

ないだろーな?

byトコトコ

 赤タイツはエッチだろうよ。

 

サトルくんは2番目になってくれる?

by純子

 はい。

 

あの~ それは赤ちゃんが

びっくりするから やめておこうね

by駅前ママ

 やっぱり出産イベントもあった。

 

おまえも歴史に残るような

エライ人物になれよ!

まあ 無理だろうけど…

by山じじい

 私のサトルは語り部になった。

 

その夜 僕が寝るまで

純子ちゃんは明日葉荘へ

帰ってこなかった…

byナレーション

 これはマジでどういうことなんだ。ずっとブランコにでも乗ってたんだろうか。

 

せっかくお互いに独身なんだし

もう少し ひんぱんに

会いましょうね

by今日子

 私が確認しただけでも3人の男とフラグを建てる今日子さん。魔性すぎる。

 

…あのね!何年かかってもいいから

サトルくんの未来が決まったら

おねえちゃんに教えてほしいな

by純子

 頑張らないとなサトル。

 

 

 前後の会話がないので上手くまとめられていないかもしれないが、とりあえずこんなところかと。台詞に注目すると、やはりこれは綾部氏のゲームだということがなんとなく分かる。願わくは、ぼくなつ5で同じことがやりたいと思う。

 

 

 

 

 

 

DQMJ2Pの揺さぶってくる台詞

 2011年3月31日に発売されたこのゲーム。自分にとっては非常に思い出深い作品で、なにしろ初めてプレイしたRPGだと思われる。とはいっても小学校に入って間もない頃だったと記憶しているので、ストーリーだけでなくゲーム部分でさえ忘れてしまっていた。今回プレイし直してみて、もちろん懐かしいことは数えきれないほどあり、そして当時は全く理解できていなかった事もやはり多かったのだなと。とても素敵な時間を過ごせたと思っている。

 今回はこのゲームの気に入った台詞について語っていきたい。台詞の量が思っていたい以上に少なかったので、そこまで多くないだろう。順番は読んだ順。

 

…強い…
ふ…ふん!すなおに、相手の強さをみとめるのは セレブの たしなみなのよ!

byキストーラ

 僕は一般に高飛車な女性キャラクターは好きなのだが、このキストーラさんなかなかコテコテでむしろ爽快だと思っている。マダムに認められたことは人生でありませんが、気持ちが良いでしょうね。

 

なによ おれいなら もう言ったでしょ。なれなれしく 話しかけないでくださる?

byキストーラ

 痺れます。

 

それは かないません。私が つかえるのは あの お方のみと 決まっているのです。

byレティス

 ナンバリングのDQは8と9しかプレイしていないのですが、一瞬8の彼らなのかと思った。もしかしたら他のシリーズもプレイすれば、もっといろいろと考えられるのかもしれない。こういう誰かしらを示唆する台詞はやはり良いです。

 

こんなフケツなとこ ホントは いたくないけど このコのそばに いてあげないとね……。

byキストーラ

 優しさもさることながら、このコという言葉選びが好き。

 

わたくし とっても心配したのよ!
もう はなさないんだからっ!!

byキストーラ

 羨ましい。

ふーん。ランクAも クリアしちゃったんだ。
けっこう やるじゃないの……。

でもでも アタシは まだ
人間のこと みとめてないんだからねっ。
人間の信用を とりもどすためにも
アンタ がんばりなさいよっ!

byモグネ

 この勝気なモグラの女性を見つけたのはこの時が最初だったので、もしかしたら過去にもっと抜粋すべき台詞があったかもしれない。個人的にはジョーカー2Pで一番のお気に入り。

 

あなたと老師の ハードな戦い……。
わたくし ガラにもなく コーフンしましたわ。

byキストーラ

 見たい。

 

いやっ! 私は負けておらん!
なぜなら 私が負けたと思っていないからだ!

byキャプテン・クロウ

 素直に言われると認めたくなる。実はキャプテン・クロウのイベントは完走していないので、彼の生末は知らない。

 

おわりじゃないよ!
まだ おわりじゃないからっ!
これから ほんとうの戦いが はじまる!
だから きっと もどって おいでよ!

byモブいたずらもぐら

 この作品、低年齢層を踏まえて作っているのだなというセリフがちょくちょくあった印象がある。どれも上手くカモフラージュしているようで割と好きだったが、この台詞は感動する響きがある。

 

なあ イザヤール……。
キミのライバルは もう ここにはいない。
また あの島へ 行かないか。
もっと強くなった キミが みたいのだよ。

byセブンス

 もちろん島に戻るなんてことは分かっているのだが、こういう流れはどうしても感動してしまう。また行くという表現が素敵だと思う。イザヤールというのは主人公の名前だが、特に後悔はない。

 

それでは 出発しよう!
伝説のマスターが生まれた あの島へ!!

byセブンス

 もうここで終わってもいい。

 

あなたも きなさいよ。勝ちにげなんて
ぜったいに ゆるさないんだから!

byアロマ

 このアロマというキャラもなかなか痺れるキャラだったなと。前作であるjoker1でお馴染みのキャラらしい。それにしてもこのゲーム少なくとも3人はこういうキャラですけど、当時は流行っていたのだろうか。そうだとしたらいい時代。まあ一応は戦う人達のお話なのでそれが道理なのかもしれない。

 

なによ なによ!アロマとか ピスカとか
人間のメスが でかいカオしちゃってさ!
真のバトルGPのアイドルは
このモグネって 前から 決まってたのに!

byモグネ

 可愛さに溢れている。異種族だからこそできるメス呼びが良い。こんなキャラを当時見逃していた僕は、本当にボケナスだったのではないか。

 

ラッキーで のしあがってきた アイツだが
こんかいばかりは ババをひいたな。

byモブピピット

 最初に見た時は気付かなかったのだが、Jokerとかかっているのだと分かってからはもしかしたら作中一番に粋な台詞なのではないかと思っている。

 

なによ!長老さままで バカにして!
イザヤールだって やってくれるわよ!

byティコ

 勝気な要素を含みながらも、先達よりは少し優しさを多く含んでいるような感じでほっこりする。

 

汝は いい目をしているな。
我は 汝と おなじ目をした者を知っている。

by神獣

 前作主人公を示唆するようなセリフが嫌いな人はいるのだろうか。キングスペーディオは当時も使っていたのでかなり思い出深い。そしてやはり前作をやってからのほうが彼関連は楽しめそうだなと少し後悔していなくもない。

 

フッ。人間に ついていくのも
わるくないぞ。

by神獣

 フッ。

 

イザヤール……。汝も また
このような はしを へいきで わたるのだな。
ふふふ。こうして 汝と 旅していると
かつての友のことが 思いだされる……。
我は ひめられたチカラを とりもどすため
その友と ほこらを めぐったものだ。

by神獣

 ここら辺からへいきでわたる人のことを知っておかなかったことを後悔し始める。

 

やれやれ。あの レオソードってコ……。
ロクな大人に ならないわね。

byティコ

 先を知っている人のみニヤニヤできるという台詞はあざといとは思うけれども、痺れる。

 

じゃあな イザヤール
また どこかで 会おうぜ!

by少年レオソード

 最後としての気持ち良さ全開。当時の記憶だとこの少年レオソードが相当好きだった記憶があるのだが、今見ると横柄すぎてあんまりだった。この少年レオソードはたまごを孵すというシステムでしか入手できないのだが、DSのオンラインサービスが終了しているため現在は入手ができない。旧作の辛いところ。

 

しもふりにくなんか いらないわ!
アタシは もう その気まんまんなんだから!

byティコ

 可愛さの権化。しかしそのままだと強くはない。

 

いまの話 決して だれにも言ってはならぬぞ。
これは 我と そなたとの やくそくだ!

by闘神レオソード

 少年の頃からよくここまで成長したなと思い込んでいたところにこの台詞。タイムトラベル物の醍醐味だとは思うが、非常に感慨深い。どんな理由があるのか分からないが、ところどころひらがなのまま書かれているのがさらに憧憬を誘う。

 

 以上。もちろんすべてを確認できてはいないため、もしかしたらまだ見ぬ良き台詞があるかもしれないけれども、それを取りこぼすという事も含めてゲームだというほうが適当ではないだろうか。全体的にみれば、そこまで遊びが入った台詞は多くはなく、本筋からブレない台詞がほとんどなのだが、それでも所々で揺さぶってくる台詞が挟まれている辺り上質なゲームだと思う。ともあれ、懐かしさが詰まったこのゲーム、最高だった。

WHITE ALBUM2で主役

 WHITE ALBUM2及びWHITE ALBUMのネタバレに注意

 

 

 もう随分と前から気になっていたWHITE ALBUM2introductory chapterの発売から12年近くたっているため、その年月の分だけ積み重なった伝説的な評判を幾度も聞いていたが、その評判を裏切らないゲームだったと思う。恐らく完全版であるEXTENDED EDITIONを購入し、一月を超えてじっくり楽しませてもらった。今回はそんなWHITE ALBUM2で主役について書いていきたい。

 

 主役と言っても今回取り上げるのは主人公である北原春季ではなく、パッケージヒロインの片割れである小木曽雪菜のことを指す。別に北原や冬馬がそうではないと言っているわけではなくて、少し象徴的な意味合いとして、私もやはり小木曽こそがこのWHITE ALBUM2の主役ではないのかと思うのだ。

 

 そもそもとして作中の三人の関係性が奇怪だという事に疑いはないだろう。ここまで歪な三角関係がそうそうあってほしくないと感じてしまうほどに、彼らの関係性は苦さを感じさせる。正面から向き合おうとするがゆえにどちらもないがしろにできない主人公。主人公を好きでたまらないのに自滅傾向で踏み込もうとしないヒロイン。そして幾度も裏切られるのに突き放すことも許すこともしたくないヒロイン。思えばこの三人は、そうなるべくしてそうなっていると思えなくもないが、単純な話として、一人でも欠ければそれで収まってしまうような関係でもあるのではないか。収まり方の解釈は別として。三人が、三人でいようするならば苦しまざるを得ない。これはたぶん恋愛の三角関係では普遍的な法則なのだろうが、そもそもそんなことを望む人がどれほどいるのか微妙なところである。しかしそれを望むのが小木曽雪菜であり、作中で何度も形容されている通りワガママな彼女は、そのうえで主人公と結ばれることも望んでいる。そんな夢物語が易々と成就するはずはなく、ほぼすべてのルートで彼女の願いは遂げられない。

 

 ゲームを始めてほんの数分の段階で、冬馬よりも小木曽の方が好きになりそうだと思っていたが、それを完璧なまでに決定づけたのは間違いなくicの電話の場面だ。この場面は本当に渾身の場面だと思っていて、小木曽とは本質的にどういう人間なのかということを挨拶のように描写していると感じる。トラウマを刺激されて不安定な心情と顔が見えない電話という状況が相まって、想像以上に面倒な態度でそして主人公に甘えているのが嫌でも分かってしまう。電話の場面は小木曽のお話の中ではかなり重要な役割を果たしていて、このあとも何度か描写されるが、そのどれもが印象的。中でも柳原の一件の電話は、この場面に負けずとも劣らない破壊力で復活の如く襲い掛かってくるため、懐かしさとともに泣いてしまった。

 

 認識が不十分なこととして、cc開始の時点で小木曽と北原は別れているのか別れていないのかということがあるのだが、おそらくしっかりとは決まっていないというか、相当に混沌とした状況にあるためどっちでもいいのかもしれない。ccは小木曽と冬馬以外の三人のヒロインが追加されるわけだが、どのヒロインと結ばれることになろうと小木曽は遺憾ない存在感でプレイヤーの心を締め付ける。麻里のルートでは辛くなってしまうような粘り強さを示し、千晶のルートでは彼女の誇りが垣間見える。そしてやはり特筆すべきは小春のルートであろう。他のルートと同様に粘りに粘っても、北原の気持ちが戻らないことを悟ってしまった小木曽は、最後の最後はそれでも笑みを湛えて北原を送り出す。これは北原のモノローグにも綴られていたと思うが、ここで小木曽は本当の意味で彼が救われる行動はしていない。明らかに自分に非があるのに、あんな送り出し方をされてはたまらないだろう。あの笑顔を忘れることは出来ないだろう。たとえ他の人と結ばれても、ただでは降りないという意志を感じる。ある種恐ろしい人ではないだろうか。

 

 ほとんど大円団のような流れでエンディングを迎え、エピローグでプロポーズして終わりかというところで、なんとなくわかっていたけど、やっぱりやるんだなというような、小木曽勢を戦慄させる始まり方をするcodaなのだが、やはり辛かったという想いが強い。というか北原が冬馬のこと好きすぎる。プレイヤーでもどうすることもできないのではないかというほどには、冬馬が出てくると釘付けにされてしまうのはどうなのか。俗に言う浮気ルートでは、正直ドン引きレベルの懐の広さで迎えられて流石に唖然としたが、あれは不倶戴天の君にを踏まえれば納得がいくだろう。そうじゃなければ本当にヤバい人だと思う。そしてWHITE ALBUM2最大の修羅の道であろう冬馬ルートでも、小木曽はどこまでも小木曽だった。やはりこのルートも電話だった。小木曽のことをたびたびゾンビと形容することがあるようだが、間違いないだろう。

 

 これはちょうど今から言及するルートが終わった時に思ったことであり、そして本記事の題名にもあるが、このWHITE ALBUM2の主役というか主人公は北原ではなく小木曽なのではないかと、冗談半分では あるが思ったりする。三人でいたいし、そのうえで北原と結ばれたい。そんな不可能に近い理想郷をずっと願い続け、それゆえに何度も絶望したはずなのに、それでもワガママをやめなかった。小木曽ルートは、そんな彼女が全てを掬っていくある意味英雄的なものだと思う。このルートは明らかに五年前のやり直しだろう。本当は狂おしいほど楽しかったはずなのに、間違いの連続によって悲しさに覆われた文化祭を、もう一度再現して過去を清算する。加えてあの時は冬馬に向けられて作られた曲は、今度は小木曽に向けられる。流れが綺麗すぎてそれだけで涙腺が緩々になってしまったが、たとえ出来すぎていても、なにより小木曽が報われたカタルシスを感じずにはいられなかった。WHITE ALBUM2には数々の素晴らしい歌が登場するが、やはり私は時の魔法が一番好きだ。

 

 本編の台詞を引用しながら書けたら良かったかもと後悔している。もちろん一番最初に攻略したヒロインなので、それがたたって詳細に覚えていないことがままあった。しかし彼女がもたらした感慨は当分のあいだ消えていきそうにないので、個人的に今はそれでもいいかなと。類稀な関係性の中で、どうしようもなく不利な状況の中で、それでも実直に向き合い続ける小木曽雪菜は、間違いなく最強のヒロインだろう。

 

 

憧れの端を掴む

 なにかを購入した日やその翌日は、だいたいそのことで頭がいっぱいで始末に負えない。それこそ眠ってしまえるまでずっと動画やブログを見続けている。それは今も変わらない。

 

 PCも持っていないのに初めてキーボードを買ってもらった時も同様で、タイピングで手が疲れたらキーボードのことを調べるというのを繰り返していた。もう何年前のことだか分からないが、そのときは認識していなくても確かに目が捉えていたものがある。キーボードに対する関心を持ち続けていくうちに、もちろんそれが何なのかは理解していく。HHKBだ。

 

 当時はまだ見慣れていなかった60%キーボードで、黒の存在ももちろん認識していたが、それよりもとにかく白のHHKBが私に強い印象を与えていた。どこかで見たことがあるような気を起させるあのノスタルジックな配色に無知ながら引き寄せられていた。しかし今にして思えば、ただそれだけに魅せられていたのではないという事が分かる。先に書いたように、同じ形状でも黒のHHKBに対する印象は薄いものだったし、それはキートップを自在にカスタマイズしたものでも同じことだったはずだ。ならばなぜ白のHHKBがそこまで印象に残っていたのかだが、ずばり私は白のHHKBを支えていた基盤に、その基盤の黄色く色褪せてしまった姿に惹かれていたのだと思う。

 

 それはHHKBに限ったことではなく、例えば同じくキーボードであるRealForceの白でも本の日焼けでもファミコンでも同じだった。いつからかずっと、私は白いものが黄色くなってしまっているのが好きだった。元の白の状態が気に入っているからこそ感じられる情緒が、たぶん好きなのだと今は分かる。

 

 キーボードに関心を持って以来、HHKBはずっと憧れの対象であった。PCを手に入れてから間も無く、私はほとんど迷わずにRealForceの変荷重を購入した。意識していなかったがこれも白だった。なぜRealForceだったのかと言われればやはり値段の問題だ。2万円で手に入るRealForceか、US配列なんてもっての外でJISしか選択肢がないため必然として3万円近く飛んでいくHHKBかという時に、HHKBを選ぶ胆力が当時の私にはなかった。しかし憧れが薄れていくことはなく、その後もいくつかのキーボードを購入したが、心にはいつもHHKBに対する欲が這っていた。

 

 そして現在に近い話になるが、あまり意図せぬ形でHHKBを手にする余裕が出てくる。ずっと欲しかったquest2を手に入れたが思っていたものと違っていたので売却したという事を皮切りに、私は使っていたいものを売るようになったのだ。いつしか売上金はHHKBの最上位モデルであるHYBRIDtype-sが買えるほど積みあがっていた。売上金というものは不可解なもので、なんというか元々は存在しない金という感覚があり、すぐに使いたくなってしまう。タイミングも申し分なく、限定品だった真っ白な雪モデルがちょうど定番ラインナップになったばかりの時期だった。もちろんそうなったらずっと焦がれていたHHKBを手に入れようという思いが停止するはずもなく、購入一歩手前というところまで進んだのだが、気まぐれにある事実が私の視界に入った。それは私を少なからず失念させた。

 

ご安心ください。
今発売されている「HYBRID Type-S」「HYBRID」「Classic」の白のボディには、AES樹脂を使用しています。
このAES樹脂は、旧モデルの白のボディに使用されていたABS樹脂からさらに耐候性を向上させたものになります。

黄変するような添加剤を入れずに成形しているため、紫外線をあてても劣化しづらく、ほとんど黄ばみません。^^

キートップには、PBT樹脂を使用しています。こちらも耐久性に優れた、汚れにくい素材です。黄ばみもほとんど発生しません。

 

引用元:HHKB博士に聞く!購入前に知っておきたいHHKBの基礎~カラー編~

引用元URL:https://happyhackingkb.com/jp/life/hhkb_life17.html

 

 

 人は見たいものを見るというのはどうやら真理のようで、そういう対策がなされているということを考えもしなかった。いや、正直に言えば、その部分が対策されるなんて全く頭の中になかった。さらに色々と見ていく内に、黄色く変化していくことを好意的に捉えることが別に多数派ではないという事が分かってきた。当然と言えば当然なのだ。新品の綺麗な状態で、もちろんそれに惹かれて購入する人だって少なからずいるはずなのだ。真っ白な雪モデルのような物であればなおさら。それは分かっているのだが、それでもこの事実は堪えた。そうして現行モデルは選択肢から颯爽と消えていった。

 

 思えば私が初めてHHKBを見たのも、現行のモデルが発売される前だったはずだ。それに現行モデルでも、ネットの海では見つけられなかったが、白であれば黄色く変化する可能性はある。しかし公式に情報が出ている以上望み薄だろう。私はどこまでも黄色く変化していくHHKBを求めていたのであり、そうじゃないのであれば率直に意味がない。心持が微妙な売上金と一度手にする寸前まで進んでしまった心を戻すことは出来ず、結局私はProfessiona2を購入した。

 

 

 この記事も当然このキーボードで書いているが、今までずっとJIS配列を使っていたので少し違和感がある。それに中古のためなのか元々そうなのかは分からないが、ちょっと荷重が重い気がする。ひとつ前のキーボードがRealForceの30gだったので、それが手伝っているだけかもしれないが、だいぶ重い。RealForceの変荷重はもっと軽かったような。とはいえずっと欲しかったキーボードを所有し打鍵できることは、やはり嬉しい。今はまだ白と呼べるこのキーボードが、少しずつ憧れに近づいていくと思うとただただ胸が躍る。