師走に置いてかれる

小説だったり映画だったり主に作品の感想が多めだと思います

それロードできんのかよ【ANONYMOUS;CODE感想】

 延期され続けていた科学advシリーズ最新作。それの感想。前情報はほとんどなし。シリーズはロボノとオカン以外はプレイ済み。オカンのアニメは見た。他シリーズ含めてネタバレ注意。

 

 アマゾンで限定版を予約していたが発売日には届かず翌日も翌々日もという感じで、実際に遊べるようになったのは発売日から7日ほど経ってからだった。別に延期にイライラしていたわけではないのにアマゾンの粋な計らいで待ちくたびれてしまった。この限定版意外とデカかった。

 

 そんなこんなでプレイし始める。割と最初の方から思っていたが、台詞のボリューム差が激しい気がした。幸いキャラごとにボリュームの出力を調整できるので、まあそこまで問題にはならなかったけれども、やはりある程度のところで統一してほしいと思っている。もしかしたらおま環というやつかもしれないが。個人的にはロザリオのボリューム小さすぎだろという感じだった。

 

 同じく音関係のもので、私がプレイした最新作(カオチャlcc)にはなかった設定としてキャラが喋っているときはbgmを小さくするというものがあった。最初見つけた時は便利だなーとか思いながらデフォルトでonだったためそのままにしていたが、これは間違いだった。過去作ではこんな機能はなかったので、それに慣れてしまっているだけかもしれないが、なんというかbgmの魅力がほとんど失われてしまったような感じだった。もちろん台詞は聞き取りやすくなるのだろうが、それにしてもbgmがブツブツと小さくなるのははっきり良くなかった。これに気が付いたのはかなり終わりの方だったので少し損した気分ではあった。

 

 UIは概ね好きだった。どこを見ても一遍じゃない感じというか。画面の至る所に文字情報が出る感じも没入感を上げてくれてたと思う。まあすこし疲れる感じはあったけれども。キャラクターがぬるぬる動くのも慣れは必要だったが、なれるとなんか艶めかしくて特に女性キャラには良いと思った。ただハッキングトリガーをするたびにポロン君に小言を吹かれるのは若干鬱陶しかった。特に最初の方はかなり辛辣なため仕様上連打するとそのたびにぶちのめされるという謎体験をしてしまった。もしかしたら連打を抑制するためにこういう演出にしているのかもしれない?

 

 セーブ&ロードというシステムは、個人的にはほとんど文句なし。体験が新鮮すぎるし、そのせいで戸惑うこともあるがそれが楽しい感じ。ただもっと自由な感じで介入できるとは勝手に思っていたので、そこは締め付けが多かったという印象。まあこんなの自由に出来たらパターンありすぎてどうにもならないだろうから妥当ではあると思う。

 

 世界観というか設定というかは、唯一近未来的であったロボノをやってないので、その分ワクワク感は他のシリーズよりも大きかった。それにしてもこの世界、ほぼ全ての者が電子化されているから、ウィザード級ハッカーには都合がいい世界なのかなともちょっと思った。

 

 シナリオは平均以上ではあると思うがシュタゲやカオチャを超えているとは思わなかった。おそらく各所で指摘されていると思うがボリュームが少ないというか、無駄がない感じではあるんだけど、無駄がなさ過ぎてキャラクターに対する思い入れがあまりない状態で最後まで行ってしまう感じだった。シュタゲやカオチャの前半部は長いとか不要だとかいわれることがあるが、そんなことはないと再確認した。あれだけの日常描写があるからこそ結末まで感慨深く締まっていくのだと思う。それに加えて今作はルート分岐して複数のENDがあるタイプではないので、グランドエンディングに到達しても一本道でそこにたどり着いてるので大円団という感じが薄い。これは個人的に一番残念な要素だったかもしれない。もっといろいろな大きめの結末を見たかった。

 

 それでも好きな場面はそれなりにある。少しずつ上げていく。序盤のモモの世間知らずな感じは王道的だった思うがそれゆえにストレートに可愛かった。クエストのランキングが見れたときに薄々分かっていたけれどDaSHがいることにはかなり興奮した。もしかしたら今作一かもしれない。最初のクエストであるハイハックも、初めて本格的にセーブ&ロードを使う場面だけあって絶望と興奮のしっぱなしだった。そんなことまでできるのかすげーとか思っていた。この時には感づいていたが規模がめちゃくちゃデカいなあと。ひたすらに明るいノンノもかわいかった。こういう愛くるしいキャラがいるとやはり個別ENDのようなものもやりたかったという気になる。フェイスハックの銀行のセキュリティーはえーという感じだった。JUNOのキャラもすきだ。シュールなギャグという感じがしてシリアスなはずなのに可笑しい。プールハックを成功してやっとcicadaをお目にかかれたときはカタルシスがあった。ポロンとアスマの兄弟喧嘩のような掛け合いもよかった。アスマが妄想を具現化し始めるとこれはギガロマじゃねぇかとか思ったけどそうじゃなかったり。セーブ消されるのもかなり良かった。絶対こういう展開はあると思ってたけど、あの場面のスピード感はたまらない。小惑星落下のムリゲー感もそれをどうにかできちまうのも良かった。それまでの感覚で私のセーブデータにポロンくんはロードできないと思ってたので、あの場面ではしばらくの間詰まってたが、実際にロードする場面は確かに盛り上がった。そしてモモも救うために最初からやりなおすのも良かったと思うし、個人的にはロードすることで飛ばされた展開が見れるのが面白かった。やり直し後の無双感も爽快感があった。やはり会うことになるのかと思って五十路になった助手に会えるのかと思ってたら見慣れたアマデウスだったが、それでも、かの孤独の観測者とポロンをアマデウスが重ねる展開はやっぱり感動せざる負えなかった。ポロンがこちらの世界にやってくるメタ演出も結構興奮した。個人的に一番詰まったのはやはり最後のやつ。あんなのわかんないですわ。流石に情報調べてしまった。手段を分かったもののどれを打てばいいのか分からないので、直前の壁画のそれっぽいやつを何個か打ってもダメだし若干心が折れそうだったがなんとか突破することができた。あれポロンくんのヒント薄すぎだわ。もうワンセンテンスぐらいあっても良かったと思う。そして最後はカオチャを彷彿とさせるようなわりとビターな感じ。でもカオチャと違って希望に溢れているとは思うので、そこまでビターでもないのかな。

 

 というかんじでなんだかんだ楽しめた。正直シリーズものではあるので、細かい過去作とのつながりを探すだけでも楽しいし、作品単体としてもシリーズらしさは豊富に詰め込まれているのでそれも楽しいという。シリーズファンの弱みですね。

 

 前述の通り、音楽に関しては終盤までほとんど無視してるような状態ではあったので、後悔しかない。ただ例の設定をoffにしてbgmを聴くとやっぱり良かったです。シリーズおなじみの阿保さんなので安心。ただあまり派手というか目立った曲はない印象でした。個人的にはやっぱりタイトルテーマが一番好きですかね。

 

 主題歌に関してはあまり印象がない。ただ聴き返すというか見返すと、通常のEDは静かな感じでグランドEDは明るめという匙加減はなかなか好き。安定のいとうかなこさんのOPに関してはこれから馴染んでいくスルメ曲な気がしてる。

 

 トロフィーは面倒なのがあるにはあるけどシステムを理解してゴリ押してれば自然に集まっていく気がする。ゴリ押ししなくても飛ばしすぎなければ問題はない気がする。私はゴリ押しはせずにプレイしていたと思っているが、いくつかCG漏れがあったのでそれの回収とバッドエンド回収だけ作業がいるという感じだった。ゴリ押しはできるものの分岐や選択のタイミングでスキップが止まるような仕様ではないので、やっぱりそこは少しかったるい気がする。個人的に、章が変わるごとにセーブを作っておけばもっと楽だったと思う

 

 そんなこんなでps5のプレイ時間計測では22時間でのクリアということになった。他の人の感想を見る感じ平均はもう少し早く終わるんじゃないかと思うのでやはりボリューム不足ではあると思う。分岐ENDがないとやっぱり早く終わりますね。カオチャとか45時間ぐらいかかりましたからね。

 

 不完全燃焼感はあるけど普通に面白かった楽しめたというのが本音なので、続編やFDが出たらやってしまうと思う。凄く面白い作品ではあると思うので、全体的にもっと深堀してもらいたい。これはたぶんアニメにはならないというかできないですよね。というか他の媒体ほとんど無理な気がする。そういう意味ではシステムは間違いなく唯一無二のゲームですね。

 

 追記するかもしれない…